日本刀は古くからわが国が誇る鉄の文化財です。

四方山話19 鑑定と観賞

2014年02月05日 更新

数年前の鑑定会に天位のみの賞品に素晴らしい物がでて、立場も弁えず、賞品欲しさに気負って入札したことがありました。

結果は次点、天位はなんとビギナーに過ぎないOさんでした。
ビギナーズラックが刀剣鑑定会でも有るのです。

ビギナーズラックとはOさんに失礼だと思われる方がいらっしゃると思いますが、私は時々、判者をする事が有り、その後のOさんの入札結果を知っていますので、Oさんがビギナーでそれ以上では無い事を知って居ります。

毎回の研究会では五本の刀が出展されますが、ビギナーらしく見当はずれの答えが多いのです。

ところが、茎を拝鑑する頃になると、なんともうれしい事をOさんがつぶやくのです。
そんな場面に三度出合いました。

「○号の刀はとんでもない名刀ですね。」つぶやきはこの一言です。
時代違いの入札をしたOさん、名品に酔いしれているのです。

「入札で当たることより、刀の美しさ、力強さを感じることの方が、だいじな事です。Oさんは素晴らしい。」興奮して答える私が、私自身滑稽に思えます。

私は書物から入っているものですからと、鑑刀経験の少なさを恥じていらっしゃるようですが、書物よりの知識より、感じることの大事さ がいかに大切か、Oさんのつぶやきで再確認できました。

研修会で、この事も話していたつもりですが、より以上 強調してゆこうと思っています。

名刀を楽しみ、感動することはつまり、「○号はとんでもない名刀ですね。」の Oさんのつぶやきそのものなのですから。