日本刀は古くからわが国が誇る鉄の文化財です。

四方山話20 国際親善 南米の巻

2014年02月18日 更新

・ボリビア・ブラジル・エクアドル・エルサルバドル・メキシコ・ニカラグア。

女性2名を含む、上記の国の人たち11名が独立行政法人国際協力機構(JICA)九州国際センターの研修生として来日、北九州市で研修を受けている。

講義後の催しとして、会席料理(日本のdinner)を経験する企画があり、そこに呼ばれていった。

教授役のM氏は私の古い友人で、=会席料理とともに日本の文化の一端を見せたいので、骨董好きのお前さんチョット協力せい=との御託宣で、刀、脇差、短刀、肥後拵鐔、縁頭、目貫を持参し同席した。

彼等の共通言語はスペイン語。英語ならともかく、私にはチンプンカンプン。全国大会(昨年10月)で会った、アメリカ、ヨーロッパの人たちとも雰囲気がまるで違い、陽気な迫力に圧倒された。

=サムライ= =カタナ=の単語は知っていたが、実物を見るのも手にするのも初めて、刀を並べると目付きが変わって、私は11人に取り囲まれた。

同時通訳の人にたよって、説明をすることになったが、何をどう言えばいいのか見当がつかない。

彼等、彼女たちはJICAの試験にパスして来日しているし、国ではエリートとしての役職、地位にいる。

刀の細かいことを話しても意味はないと思い、主題を文化とは永く保存することに重大な意義があると、熱弁をふるった。

武器として創造された日本刀は今や世界中より美術工芸品として認められている。文明は変換するけれども、文化は永遠に残る。日本刀はそのひとつの証拠です。と大上段に振りかぶって熱弁をふるった。

M教授がニヤニヤ笑っていたのが目ざわりであったが、名通訳(女性、美しい人妻でした)のおかげで、生徒たちは大いに見分を広めた様子でした。

さて、扱い方を実演してみせ、彼、彼女達にやらせることになると、座は一気に盛り上がり、チンプンカンプンのスペイン語が飛び交い、ひと騒動であった。予定時間を越えていたのでおわりにしたが、日本刀を間にこんな異空間を経験するとは、夢にも思わなかったことでした。

広大な砂漠にコップ1杯の水を撒いたようなことですが、私は楽しかった。

dinnerでは、箸の使い方、ワサビやタケノコの説明を得意の日本語でまくし立て、通訳の世話にならずに南米の人達と国際親善をやってまいりました。

=余談= 二人の女性、通称ベロ(エクアドル)、リス(エルサルバドル)と、高彫の縁頭を前に顔をひっつける程の近さで話していて、=ブラジル、リオデジャネイロのカーニバル= に行って見たいと思ってしまいました。