日本刀は古くからわが国が誇る鉄の文化財です。

7月鑑定会の報告

2015年08月10日 更新

7月12日(日)中央市民会館にて開催した会は、支部員の所有する刀剣での研修と鑑賞の会でした。

出品された刀剣は下記の6振りで、刀工の系譜、時代背景、彫の意味、その他のエピソード等が説明されました。

参加者は博多支部員のみの20名でした。尚、当日刀剣以外に刀鍛冶に関した古文書の掛け軸、七宝象嵌で有名な平田春就の鍔と小柄の出品並びに説明がありました。

1号 刀
銘 筑州住左安近謹鍛之 裏 慶応二年二月吉日

刀樋に梵字(不動明王)裏 刀樋に梵字(大黒天)
小沸の直刃、地鉄良く詰、清美。
2号 刀
銘 月山貞一 表 桜樹、
裏に本居信長の敷島の大和心の下の句の朝日に匂う山桜かな、の草書の見事な彫。
沸深い直刃に足入りの刃文。
3号 短刀
銘 筑州三池住廣正

身幅広く、寸延びの表平造り、裏片切り刃の造り込、刃文は匂締りの直刃、帽子の返りが深い。
腰元に恵比寿大福の浮彫があり。
4号 短刀
銘 正真
重ねの非常に厚い寸延びの短刀、直刃に浅い乱れを交える。村正系の正真。
5号 短刀
銘 宗昌親
直刃、来写し。
6号 短刀
銘 宗昌親
清麿写し。
今回の3号刀は、天文年間が昨刀期間の刀工で、今まで450年以上大切に保存されてきたことがわかる、健全な珍品でした。

15.8.10-1-1